丸善雄松堂

連載

2020年07月29日

SDGs100人カイギ Vol.9 世界を変える、夏休みの挑戦。

 

いつもとは違う夏休みに注目のSDGsの活動

「SDGs100人カイギ」は、こども国連環境会議推進協会(JUNEC)と大日本印刷株式会社、丸善雄松堂株式会社が共同で企画・進行するプロジェクトです。2030年までに本気で世界を「変える」ことを目標として、さまざまな活動をしている「100人の話」を起点に、クロスジャンルで、ゆるやかな人のつながりを生むイベントを開催しています。


7月29日、第9回目として「世界を変える、夏休みの挑戦。」をテーマにオンラインイベントを開催しました。例年夏休みには多くの人びとが集い賑わう施設や取り組みに関わる日本科学未来館 科学コミュニケーターの高橋尚也さん、WWFジャパン オフィサーの松浦麻子さん、サンシャイン水族館 館長の丸山克志さん、アーティストの藤元明さんの4名にご登壇いただき、コロナ禍でいつもとは違う夏休みに注目のSDGsに関連した活動についてお話しいただきました。


今回は、全国から計80名(Zoom 30名、YouTube Live 40名、講師・スタッフ10名)がご参加くださいました。そのうち小中高生が15名となり、幅広い世代で賑わいました。

「楽しい」を入口にまなびを深める

ゲストスピーカーの皆さんより、各々の施設・団体におけるSDGsへの取り組みをご紹介いただきました。

まず、高橋さんより、日本科学未来館が館内で学校団体向けに実施するワークショップ「気候変動から未来を守れ!」について、「参加者が国のリーダーになって、気候変動から国を守るために国の方針を決めていく」という設定の中で、現実でも一つではない解を立場の異なる人びととの対話によって取捨選択していくことを通して、他者と協力することの重要性や難しさを体験するプログラムをご紹介いただきました。

次に、松浦さんより、WWFジャパンが「言葉で世界を嗅いでみる」をテーマに取り組む「うんことばホイール」について、動物園の来園者に動物のうんこのにおいを嗅いで「どんなにおいがしたか」を言葉で書いてもらい、集まった数千もの言葉を分類して完成するまでの経緯や、「うんことばホイール」で絶滅危惧種について学んでいくしかけについてお話いただきました。

そして、丸山さんより、サンシャイン水族館が沖縄県恩納村と共に取り組む、サンゴプロジェクトについて、沖縄科学技術大学院大学との連携により進行する、気候変動や海水温上昇などにより減少しつつあるサンゴ礁を復活するための「サンゴ返還プロジェクト」と「サンゴ礁再生プロジェクト」の内容や、実際に見らえた効果や課題などをお話しいただきました。

最後に、藤本さんからは、陸の海ゴミを活用したご自身のアート活動について、長崎県の五島列島や富山県へ実際に足を運び、海岸に溜まるゴミを見て、地域の人びとに話を聞くフィールドワークを経て、ゴミの一部を持ち帰ってアート作品にする取り組みや、現場を「見て・体験して・知る」ことの面白さについてご紹介いただきました。

今回、イベントの最後に全体を振り返るグラフィックレコーディングが1枚ではおさまりきらないほど充実した内容や、また、夏休みというテーマや、水族館や動物園など身近な施設における取り組みから、参加者の皆さんを含め楽しげな様子が窺え、こうした「楽しい」という気持ちやちょっとした興味を入り口にまなびを深めていくことの大切さを感じる回となりました。

イベントの最後はグラフィックレコーディングでイベントを振り返り

まなびを広げるブックセッション

丸善雄松堂が主催する「知とまなびのイベント」では、各回のおわりにその日のイベントテーマに合わせて選書した本をブックセッションの形でご紹介しています。当社オリジナルの選書で、これまでに経験したことのない本との新たな出会いをお楽しみください。

「SDGs100人カイギ Vol.9 世界を変える、夏休みの挑戦。」ブックセッションより

まなびの世界が楽しくなる「知とまなびのイベント」

「知とまなびのイベント」

1869年の創業以来「知とまなび」に寄り添い続ける丸善雄松堂株式会社が主催するイベント。リアル/オンラインに関わらず、幅広い世代が集う多様なまなびの機会の中で多様な価値観が出会い、新しい価値を生み出す場づくりを目指し、環境・コミュニケーション・働き方・芸術ほか多彩なテーマで通年開催。

執筆者

知とまなびのイベント事務局

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