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まなびの世界が楽しくなる
「知とまなびのイベント」開催レポート

連載

2021年05月26日

SDGs100人カイギ Vol.18　未来を変える、買い物と暮らしの挑戦。

それぞれの地域におけるSDGsの活動

「SDGs100人カイギ」は、こども国連環境会議推進協会（JUNEC）と大日本印刷株式会社、丸善雄松堂株式会社が共同で企画・進行するプロジェクトです。2030年までに本気で世界を「変える」ことを目標として、さまざまな活動をしている「100人の話」を起点に、クロスジャンルで、ゆるやかな人のつながりを生むイベントを開催しています。

5月26日、第18回目として「未来を変える、買い物と暮らしの挑戦。」をテーマにオンラインイベントを開催しました。それぞれの立場から地域のSDGsに関する取り組みを実践する4名（ピープルツリー広報・啓発担当鈴木啓美さん、一般財団法人 PBP COTTON 代表理事葛西龍也さん、株式会社福市/Love&sense 代表取締役高津玉枝さん、（公財）消費者教育支援センター専務理事・首席主任研究員柿野成美さん）にご登壇いただき、私たちが日常で行っている消費行動について意識すべきこと、考えておくべきことを知るための、具体的な取り組みをご紹介いただきました。

今回は、全国から計52名（Zoom 20名、Vimeo22名、講師・スタッフ10名）がご参加くださいました。

一人の生活者として、より良い未来のために何ができるか

まず、鈴木さんより、フェアトレードの意味や考え方についてお話がありました。日本においてなじみのある近江商人の精神「三方良し」などのように、決して遠い国の話ではない概念であることを説明いただきました。そのうえで、大量生産・大量消費・大量廃棄の影響で起きている多くの問題について、一人一人の物語として見せ、伝えていくことによって、買い手と作り手の双方の幸せな暮らしを目指す事例が共有されました。

次に、葛西さんから、フェリシモのCSR活動として取り組んできた、オーガニックコットンプロジェクトについてお話がありました。誰かが気軽におしゃれを楽しむ一方で、大地と誰かが悲しい思いをしている現状にショックを受け、本活動に深くまで入り込んで改善を進めている葛西さんは、ファッションにとって最も身近な素材である「綿花」を栽培する綿農家で起きているさまざまな問題や心の葛藤などについて、具体的に触れていただきました。活動を広げるために一般財団法人PBPCOTTON を新たに設立し、「みんなで手をつないで未来の大地に恩返ししよう」というキーワードのもと、活動を継続されています。

そして、高津さんより、貧困問題・環境問題をビジネスで解決するために、「良いもの」というだけではなく「オシャレなもの」として、リサイクルのプルタブでできたバッグや、オーガニックコットンのフェアトレードTシャツであるマルコシャツの事例を共有いただきました。ネルソン・マンデラ氏の言葉を引用し、「貧困は私たちの手で変えられる」という信念のもと、力強く活動されている様子が印象的でした。

最後に、柿野さんからは、消費者教育の視点から、公益財団法人消費者教育支援センターの取り組みをご紹介いただきました。消費者教育の専門機関として、賞の設定や良い教材の情報収取・発信など、多くの工夫で消費について考える機会やツールを提供されています。他人事として捉えるのではなく、一般消費者として私たち自身が、疑問に対して行動するよう意識することの重要性が感じられました。

今回のイベントは、普段何気なく買い物をしている日常に、新たな視点をもって臨むための良い機会となりました。最後に井澤さんから、「行動が0だと意味がない、1つでもいいから行動をすることが大事だ」というメッセージが伝えられました。5月はフェアトレード月間です。得られた視点をどう行動に落とすか、みなさんも目の前の消費行動で早速実践してみてはいかがでしょうか。

イベントの最後はグラフィックレコーディングでイベントを振り返り

まなびを広げるブックセッション

丸善雄松堂が主催する「知とまなびのイベント」では、各回のおわりにその日のイベントテーマに合わせて選書した本をブックセッションの形でご紹介しています。当社オリジナルの選書で、これまでに経験したことのない本との新たな出会いをお楽しみください。

「SDGs100人カイギ Vol.18　未来を変える、買い物と暮らしの挑戦。」ブックセッションより