2021年05月31日
[LEARN 01]
福澤諭吉が翻訳した『帳合之法』
丸善には「日本初」のエピソードがたくさんある。そのひとつが「簿記講習」だ。
1873年、福澤諭吉がアメリカの商業簿記の教科書を翻訳した。日本初の複式簿記の専門書『帳合之法(ちょうあいのほう)』だ。福澤の門下生であり、丸善の創業者である早矢仕有的は、さっそくこの新しい会計の仕組みに注目し、西洋式簿記法の導入を決意。同年7月、日本橋店内で、一般に普及させるため新しい記帳法の講習会を実施した。これが日本初の簿記講習だった。国立銀行事務員を養成する目的で大蔵省紙幣局内に会計講習所が設けられるより、一年近く前のことである。
丸善は会社設立趣意書『丸屋商社之記』のなかで、「商売を学んだことはないが、会社を商売学校とみなし、何年にもわたって努力を続ければ、商売の道を学びとれるのではないか」と記し、まさにその実学の精神を実践していた。丸善に「日本初」が多いのは、新しい技術や知識をいち早く学び、積極的に取り入れようとする姿勢があったからだろう。
原文・丸屋商社之記 [PDF:1018KB]
現代語訳・丸屋商社之記 [PDF:27KB]
1873年(明治6年)