2021年06月20日
[LEARN 04]
本の図書館の様子
1954年1月1日、丸善は社内に「本の図書館」を開設した。取締役の山崎民雄が戦前から熱望していたこの図書館には、ふたつの目的があった。ひとつは世界中の本に関する質問に答えるために、書誌情報を大量に集めること。もうひとつは、社員の常識を養うべく、印刷・製本・製紙・蔵書管理など「本に関する本」を集めることだ。
初代館長の中村春太郎、二代目の八木佐吉はともに「書物のマイスター」と呼ばれた。彼らの精神が根付いた「本の図書館」は、研究者・作家からも寄せられる資料探しの相談に応え、本にまつわる「何でも相談所」として、多くの人の学びの精神にも応えつづけた。日本橋店内から本社ビル七階、丸の内本店なと、何度か場所を変えながら維持されてきた「本の図書館」は、2009年に閉館した。
現在丸善は数多くの大学図書館の運営を支援している。「本のプロ」としての自負は、それぞれの現場に受け継がれている。
1954年(昭和29年)