丸善雄松堂

連載

2021年07月04日

ノーベル賞研究者との交流 ~先端研究を縁の下で支える~

[PRODUCE 06]

2009年3月増刊号『パリティ』の表紙

丸善の営業部員にとって、担当する大学や研究者がスポットライトを浴びることは最高の喜びだ。たとえばその研究者が世に認められた際には、「自分の渡した本が少しでも役に立ったかもしれない」という自負心が、一生もののやりがいになる。

明治後期以降、丸善は旧帝大ができると付近に支店や出張所をつくり、本を介して大学と関係を築いていった。丸善の京都支店は京都大学や同志社大学とつながりが強く、1949年に日本人初のノーベル賞を受賞した物理学者・湯川秀樹や、朝永振一郎とも親しかったという。湯川秀樹は後に「昔の丸善の人はたった五十銭の本でも、先生の読みたい事がこの本に書いてありそうだと言って持って来てくれた」と語ったそうだ。

ノーベル化学賞を受賞した福井謙一とも親交があり、受賞当時、唯一の単著を丸善から出版していたことは誇りであった。丸善は常に、先端研究を縁の下で支えるという使命と共にあった。

1949年(昭和24年)

執筆者

まなびのつながり編集部

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