2021年08月01日
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『學鐙』明治41年12月号に掲載されたクリスマスの広告
日本にクリスマスの文化が根づいたのは明治期以降だとされているが、実はクリスマスの普及にも丸善は一役買っていたそうだ。福澤諭吉がアメリカから持ち帰った『ウィルソン読本』や、明治時代全国に広くわたった『ニュー・ナショナル読本』などにクリスマスの記事があり、日本ではこの書籍の記述がクリスマスの知識として広まった。
丸善はクリスマスの文化を歳末セールと結びつけた。1885年頃にはノートブックを、1888年頃にはクリスマスカードの輸入を開始し、次々とクリスマスグッズを展開していく。1901年頃には絵葉書ブームに乗ってさらにカードが売れ、その規模はますます大きなものとなっていった。
丸善は海外の文化を紹介するに留まらず、歳末に贈り物をするという馴染み深い日本の風習と結びつけたことで、日本にクリスマスを根づかせることに貢献したのである。
1901年(明治34年)