2021年09月26日
[STYLE 18]
バーバリーのブランドラベル(丸善とのダブルネーム)
バーバリーのコートは、ギャバジンと呼ばれる織目の詰まった生地で防水性・耐久性が強く、動きやすさも兼ね備えていることから、1910年にイギリス陸軍に正式採用された。その情報をいちはやくキャッチした丸善は、この機能的なコートに惚れこみ、すぐさま輸入の交渉を開始。契約を成立させ、わずか四年後の1914年、日本に初めてバーバリーを持ちこんだ。
当時の日本にはゴム製の重いレインコートしかなく、高価でも高品質なコートは需要があるという丸善の読みはあたった。とくに戦後は「丸善のバーバリー」というブランドが確立。バーバリーの人気が上がるなかで日本国内でのライセンス生産が増えたが、丸善は直輸入にこだわり、バーバリー社が日本人の体格にあわせて特別に縫製したものを販売した。2004年、バーバリー社のブランド戦略により直輸入を取りやめたことで、丸善での販売は終了したが、いまでも丸善ネームのついたものを愛用しつづけている人は多いという。
1914年(大正3年)