丸善雄松堂

連載

2021年10月10日

日傘の普及、折り畳み傘の発明 ~モードづくりと実用性の追求~

[STYLE 20]

『丸善百年史』に掲載されている挿絵

いまでこそ日傘は日用品として定着しているが、これを世に紹介し、折り畳み傘を発明したのは丸善だった。丸善は明治期より洋傘を販売していたが、当時は高級品だったためなかなか一般化しなかった。1930年、丸善は婦人層をターゲットに定め、「如何にも超時代的な美感快感」というコピーで日傘を売りはじめた。表地と裏張り布の色調を変えてデザインした丸善の日傘はモダンだと好評を呼び、大いに流行。日傘をかざすスタイルは〝モダンガール〟の象徴になった。

さらに丸善は持ち運びづらい雨傘のイメージを一新すべく、自社で日本初の折り畳み傘を発明。特許を取得し、自信満々に「分解簡単・体裁よく。携帯至便」と打ち出した。折り畳み傘は、その合理性が新しい時代の感覚にぴったりと合い、市場をにぎわせた。

日傘を差すことも折り畳み傘を持ち歩くことも、それ以前の社会にはない風景だった。丸善は時代の流れを先読みし、商品をつくることで、新たな「スタイル」を普及させた。

1930年(昭和5年)

執筆者

まなびのつながり編集部

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