2021年12月05日
[SUCCEED 28]
J-DACのトップ画像
雄松堂書店は、1960年代からさまざまな資料のマイクロフィルム出版事業に取り組んできた。その時代を先駆けた努力によって唯一無二の貴重な資料がアーカイブ化されていった一方で、データの利活用が難しいことも問題となっていたという。2012年に雄松堂書店、丸善、大日本印刷が共同開発を行なって開設したのが、「J-DAC(ジャパン・デジタル・アーカイブズ・センター)」だ。
人文・社会系大型学術情報ポータルサイトのJ-DACは、全国各地の大学や研究機関の貴重な資料をデジタルデータとして蓄積するとともに、各機関に配信することで研究資源の共有化と利用の活性化の役割を担っている。そこには太宰治の自筆資料集や近現代政治外交史データベースなと希少な一次資料が数多く登録され、多くの大学・研究機関に向けて開かれた知のアーカイブが確立されている。
物理的な書物を後年の人々に伝え遺すのも大切な役割だが、利用することで劣化・破損を進めてしまう矛盾がつきまとう。それを解決するため、丸善雄松堂はこれからも時代に沿った保存形式で、世界後の遺産をつないでいく。
2012年(平成24年)