2022年01月16日
[SYSTEMIZE 34]
昭和初期、顧客の興味関心を整理するために「カスタマーインデックス」の制作に着手した丸善は、膨大な量の書籍を細かく正確に分類する方法を必要としていた。その結果生まれたのが、独自の書籍分類法だ。従来の分類法をベースにつくられたこの分類法は、顧客がどんな本を求めるかを知り、仕入れを行なううえでも大いに役立ったという。
しかし、その分類法も第二次世界大戦を経て失われてしまう。終戦後、洋書の輸入を再開し管理する書籍の数が増えると、新たな分類法が必要になった。そこでかつてスリップを発明した斎藤哲郎が一念発起。1955年それまで使われていた日本十進分類法やDewey十進分類法をもとに、大小合わせて千もの項目からなる「丸善十進分類法」の完全版をつくりあげたのだ。
顧客のニーズを踏まえながらつくられた丸善十進分類法は、洋書を数多く扱う丸善だからこそ生まれた、洋の東西を超えて膨大な知を体系化するシステムだった。
1955年(昭和30年)