2022年01月23日
[SYSTEMIZE 35]
インターネットの普及以前、人々が情報にアクセスする方法は非常に限られていた。だからこそ、1977年に丸善がつくったオンライン情報検索システムは、世界中のデータベースにアクセスできる点で画期的なものだった。このシステムを扱う部門は「MASISセンター」といい、米国ナイトリッダー社がもつ「DIALOG(ダイアログ)」のホストコンピューターに専用回線で接続し、研究者が求める情報を有料で提供した。
それぞれのデータベースには書籍の情報のみならずアメリカ議会の議事録や医療の特許情報など、あらゆる紙資料の情報がまとめられており、利用者自らが端末を操作して検索することも、同センターのスタッフが代理兼策を行なうことも可能だった。くわえて、データベース事業に積極的な丸善は、検索を行なう「サーチャー」を育成する研修会も開いていた。
現在は簡単に情報にアクセスできる時代だが、昔もいまも情報を求める人々に確実で納得のいく情報を届けるために、丸善は仕組みから考えつづけている。
1977年(昭和52年)