丸善雄松堂

連載

2022年02月06日

タイプライターと計算機の普及 ~機械化から事務作業の革新が始まった~

[INNOVATE 37]

ウェリントンタイプライターNo.2

丸善はタイプライターと電算機を率先して輸入・販売することで、日本の事務作業に革新を起こした。1890年代からタイプライターの輸入に着手した丸善は、英文用のウェリントンタイプライターNo.2の輸入を経て、1914年からはローヤルタイプライターの販売を始める。優雅な外観ゆえに当初はインテリアのひとつとして捉えられたが、その後多くの日本企業における資料作成・記録を効率化させたことは言うまでもない。同じく仕事に欠かせない「計算」の作業をスムーズにさせたのは、世界で最初のキーボード式計算機として販売されたモンロー計算機だった。丸善はモンロー計算機の販売に注力し、年間輸入総数の40%をモンローが占めたことすらあったという。

これらの商品の販売実績が買われ、1960年代からは丸善は三菱や富士通のコンピューターの代理店としても活躍した。タイプライターも電算機も、当時の日本の働き方を変えた重要なアイテム。商品拡販によって生まれた事務作業改革の裏側には、丸善の開拓者精神と新しいモノ好きな性格が潜んでいる。

1914年(大正3年)

執筆者

まなびのつながり編集部

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