丸善雄松堂

連載

2022年02月13日

タイムレコーダーの導入 ~時間管理による「働き方改革」~

[INNOVATE 38]

マルゼンタイムレコーダーのチラシ

丸善は第二次世界大戦前からタイムレコーダーを輸入し、日本企業へ向けて販売していた。何時から何時まで働いたか記録できるこの製品の導入は、日本の仕事環境を大きく変えていった。「三日間の停電に耐へ 時間は常に絶対正確」。当時販売された「マルゼンタイムレコーダー」のキャッチコピーは、アナログで曖昧に出退勤を記録していた人々にとって、未来を感じさせる存在だったに違いない。しかし戦争が中期に差し掛かると、資材共有の統制が厳しくなり製造も中止。戦後は倉庫にかろうじて残っていた製品や中古製品の販売を行ないつつ、1949年にはなんとか自社工場での製造ラインを生み出すまでもちなおした。

丸善はほかにも小中学校向けに自動時報機(ベルタイマー)を製造するなど、時間管理において画期的な製品の普及に務めた。働き方が問われる現代において時間管理は当たり前のもの。しかしこの環境をわたしたちが「当たり前」と感じるのは、丸善による礎があったからなのだ。

1949年(昭和24年)

執筆者

まなびのつながり編集部

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