2022年04月03日
[ORGANIZE 45]
創業の地・横浜の店構え
日本に「株式会社」のアイデアを持ち込んだのは福澤諭吉だったが、それを日本で初めて実践したのは丸善だった。1869年1月1日、丸屋商社の設立趣意書「丸屋商社之記」により、出資者と従業員を区別する企業がスタートしたのだった。
江戸時代から続く日本の商家は、個人世襲の経営が一般的。しかし、経営に向かない子孫がいる場合、ビジネスが破綻してしまうことも少なくはなかった。そこで丸屋商社は、企業の永続を優先し適材適所の人材配置によって事業を進める組織運営を採用することを決意した。従業員同士の信用を重んじ、ひとつの方針をもとに事業を進めること。これは創業以来一貫している丸善のテーゼとなっている。
慣習にならって従来の世襲制度を採るのではなく、会社が続くことを考えて株式会社という新たなシステムを導入したのは画期的だったに違いない。柔軟に物事をとらえながら会社をマネジメントしていく姿勢は、丸善という会社が誕生したときにすでに存在していたのだ。
1869年(明治2年)