丸善雄松堂

連載

2022年05月01日

これからも知を鐙し続けるために

[最終回]

丸善は近代日本の発展とともに歩んできた。創業当時、日本は江戸から明治へと移り変わり、国のあり方そのものを一新しようと、それまでの制度と袂を分かち、国民国家としての基盤づくりを進めた。丸善はそのなかで、一企業として貢献するとともに、自ら成長してきたのだった。

その後も丸善は、日本の近代化の「物語」に寄り添ってきた。たとえば、第二次世界大戦後、日本が社会システムを再構築していくとき、すぐに洋書を通じて海外の学術や文化を輸入し、日本が民主主義国家になっていく過程のなかで成長を遂げてきた。

丸善はこうした日本の発展と歩みをともにするなかで、日本や社会に何ができるのか、常に考えつづけてきた。だから現在の丸善雄松堂にとって、直接の顧客は大学や研究者であるが、真の顧客は日本であり、社会なのだ―――(『丸善の150年と12の方法』これからも知を鐙し続けるためにより )

テクノロジーの発達やグローバル化の加速、地球環境の変動など、今、世界は大きな転換期を迎えています。変化が激しく、これまでの経験則が通用しない「答えのない時代」において、私たちは、「知りたい、学びたい」 という、人が生まれながらに備える欲求こそが、新たな時代を切り拓く手がかりであると考えています。私たちは、知とまなびを通じて人びとの人生や社会を豊かにすることができると信じています。

丸善雄松堂は、いつの時代も知とまなびに寄り添い、それを求める全ての人の未来を支え、応援し続ける企業でありたいと考えています。これからも皆さまの期待にお応えし、末永くお付き合いいただける企業であり続けられるよう誠心誠意努力してまいります。

2022年(令和4年)

執筆者

まなびのつながり編集部

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