長谷川 眞理子氏(総合研究大学院大学長)
日時: 2019.4/25(木) 18:30〜20:30
会場:日比谷図書文化館 B1F 大ホール
定員:200名(参加無料)
「これは何だろう?」という好奇心は、ヒト以外の動物にも広く認められる。世界を知り、安全に生きていくためには、好奇心は必須であるに違いない。しかし、ヒトはそこにとどまらず、因果関係を推論し、自分自身の行為が周囲を変える原因になるということを知っている。また、互いの思いや考えを共有することができる。この能力が、人類に大規模な協力を進化させ、文明を可能にしてきた。その道筋について、そして文明の将来について考えてみたい。
講演会レポート
当たり前に感じている「他者との心の共有」が、いかに生物としてヒト特有のものであるか、それにより発展した文明を未来に向けてどう築いていくのか、哺乳類の登場から現代にいたる人類の進化の流れを辿りながらダイナミックかつ明快にお話いただきました。
影響を受けた 3 冊の書籍や、アメリカの心理学者プレマック博士との交流など貴重なエピソードもご紹介 いただき、リラックスした雰囲気での講演会でしたが、 最後には若い世代が背負う未来に対し私たちがどう向 き合うかという大きな問いが投げかけられました。
参加者の声
地球規模の環境破壊を認識しているのに社会を変えられないのはなぜなのか。原因は多岐にわたり複雑で、抜本的な解決の糸口はまったく掴めていないことに、多くの人は無力感絶望感を感じていると思う。動物と人間の認知と行動を解き明かすお話を通じて、環境問題に希望と勇気をもって取り組んでいこうという力強い励ましのメッセージをいただいた。大変面白く楽しく拝聴し、最後5分のメッセージに感動しました。(30代)
ヒトの進化が社会の進化なのだと考えさせられる講演でした。この分野の研究はとても大切なものだと常々思っていますが、AIが日進月歩で発展している今こそ、あらためてヒトにこそ出来ることは何か?がより大事になるでしょう。(30代)
AI化やデジタル化の促進をはじめとした、社会の変化の目まぐるしさを受け入れることこそ進化だと考えていました。しかし、技術革新に対する「人の心の視点から考える」という見方を知ったことで、「人のため」との前提があってこその技術革新なのだと考えさせられました。このことから、成長や選択肢が増えることにはネガティブな側面もあることに気づかされました。(20代)
まなびのカード
当日ご参加のみなさまから、講演を聞いて考えたこと、感じたことをぎゅっと一言につめこんでいただきました。