丸善雄松堂

2022年10月17日

第9回 「学魔」高山宏が語る、漱石『夢十夜』を十一夜に

 

高山 宏氏(大妻女子大学副学長)

日時:2019.12/25(水) 18:30〜20:30
会場:日比谷図書文化館 B1F 大ホール
定員:200名(参加無料)

何かを学ぶとはどういう行為なのか、素材に誰しもの知る夏目漱石の名作『夢十夜』(1908)中、時間の関係上2篇を選んで(1)精読する(2)蓄積された文学史・文化史の教養を抽き出す/適用してみる という方法で縦横に「解釈」してみせる。そうやって『夢十夜を十夜で』(2011、羽鳥書店)という本を世に問うたら、研究ではないとして学界は無視、読書界一般は文豪観・文学観から人生まで一変したという評。一体学ぶとは?と問う。

講演会チラシ[PDF:5665KB]

講演会レポート

英文学者としての夏目漱石を、漱石のイギリス留学時の時代背景や、当時出版されたOxford English Dictionary(OED)、明治期の日本、ゴシック小説の根底にあるピクチャレスク、そして漱石の「草枕」や「明暗」などに描かれる世界など、圧倒的な知識に導かれながら縦横自由な解釈を展開いただきました。
これまでとは違う漱石像や、作品への興味、そして学ぶとはどういう行為か、新たな知が宿り、学ぶことへのあくなき欲求が大いに刺激され濃厚な2時間となりました。タイトルの「夢十夜」にはほとんど触れられないのに、「夢十夜」が読みたくなる不思議な講演会は、クリスマスの夜の雰囲気と相まって幻想的な一夜でした。

参加者の声

クリスマスの夜に「たかや魔ひろし」先生の淀みない美声が響きました。イギリス文学者からみた夏目漱石、デフォーのメルカトールサピエンス(知の商人)から、OED、ちゃぶ台とテーブル、シェイクスピアと、たかや魔の知が縦横無尽の講義でした。夢十夜に届く前に素敵な時間がタイムアウト。この講義が「夢十一夜」となりました!(40代)

オクスフォード英語辞典の話が聞けたのが良かったです。背表紙は何年も眺めていたのに、中身を読んだことがなかったので、初出が載っていることも初めて知りました。文学を研究しようとすれば、語源や初出は当然調べるものだろうと想像はつきますが、具体例をあげて下さったので、イメージできました。
ふと、半年程前に観た映画「ニューヨーク公共図書館」で、「ユニコーンの出てくる古い文献」のレファレンスシーンがあったのを思い出し、OEDで調べていそうだなと思いました。国文学を考えるときに、歴史は勿論、英文学・語源も含めての英語・独語・仏語等を対比させるというのが目から鱗でした。(50代)

理解できた気がしない。凄まじい知識の前提があった。何がわからないのかもわからない。何がすごかったかもわからない。それなのに、感動した。これが教養か。これが知の力か。(30代)

※ご本人の許可を得て掲載しております

まなびのカード

当日ご参加のみなさまから、講演を聞いて考えたこと、感じたことをぎゅっと一言につめこんでいただきました。


執筆者

まなびのつながり編集部

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