荒俣 宏氏(作家・博物学者)
日時:2019.10/14(祝) 14:00〜15:30
会場:丸善丸の内本店 3F 日経セミナールーム
定員:100名(参加無料)
〈主催より〉
常人には考えられない書物愛に満ちた、稀代のビブリオマニア(愛書狂)荒俣宏。小説家デビュー以前には、書物購入のため食費をぎりぎりまで削り、10年間同じスーツ1着で出勤したサラリーマン時代があったという。作家となった後も、図鑑出版のため巨額の借金をし美しい挿絵の入った原著を買い求める―など、逸話には事欠かない。今回はそんな荒俣氏に、これまでの愛書人生を振り返って頂きながら、書物の持つ魅力、そしていかに古書を手に入れ愉しむのかを存分にご披露いただきます。
講演会レポート
日本の書籍出版・流通史を辿ることに始まり、愛書家たちが「本を収集する」ことに見出した愉しみ、あるいは出版者たちの胸に滾った「本を届ける」ことへの情熱を、古今東西次々と繰り出されるエピソードとともにお話いただきました。
「書物」こそが持つリアリティ――対峙した人を驚嘆させる実体の重みや迫力をいかに伝え、さらには本をその手に入れるということへの悦びをいかに後の時代へ繋いでゆくか。私たちも身の引き締まる思いで熱いメッセージを受け取りました。「ビブリオマニア」荒俣先生ならではのエピソードには、参加者の皆さまから感嘆の声、時に笑いも起こりながらの、あっという間の90分。荒俣先生の書物に向ける深い愛情を垣間見た時間となりました。
参加者の声
荒俣先生は憧れの方ですので、講演会に参加できるだけでも大変嬉しかったです。「古書」とのことでしたが、「希少本」のお話で、スケールが大きい。話に出てくるお名前も坪内逍遥からナポレオン…と多岐に渡り、ついてゆけませんでした。それが、また楽しかったです。(40代)
「情報としての本はイルカのように疾く行きわたるべし、しかしひとたび人の手に渡ったら、錨のようにじっくりと読まれるものであるべし」この仕事ではある意味「馴染み」のアルドゥスのプリンターズ・マークにそのような意味があったと初めて知りました。愛書家、荒俣宏先生の核に触れたような思いです。(30代)
荒俣先生の講演会に参加したのは2回目でしたが、古今東西の著名な書物について荒俣先生独自の視点で解説をして下さり、書物を収集し、書物を味わうことの重要性や醍醐味などが感じられる講演会でした。また、荒俣先生は妖怪の専門家でもあるので、次回の講演会ではそうした分野に関するお話も聴きたいです。
まなびのカード
当日ご参加のみなさまから、講演を聞いて考えたこと、感じたことをぎゅっと一言につめこんでいただきました。