學鐙 冬号(Vol. 121 No.4) 特集: 「弱さ」論 2024年12月05日 定価: A5判 250円(税込) PR誌『學鐙』は、1897年[明治30年]3月に創刊し、現在まで続く日本初の 企業PR誌です。初代編集長は作家・文芸評論家として活躍していた内田魯庵 で、執筆者には坪内逍遙、夏目漱石、井上哲次郎らが名を連ねました。2010 年以降の企業グループ再編により、2011年3月~2023年3月は丸善出版(株)よ り発行、2023年6月から丸善雄松堂(株)(2016年丸善(株)が商号変更)が発行し ています。創刊時から続く「広く日本の文化に寄与し、世界の文化受容の窓 口となる」という一貫した編集姿勢は変えず、今後より複雑化していく未来 に向けて、「未知に光をあて、先の見えない時代を照らす小さな知の灯火 (鐙)となることを目指します。 購入【冊子・電子版】
今号の特集について 本号の特集テーマは「『弱さ』論」といたしました。 どんな人もそれぞれに持つ弱さや、弱さの良さ、無自覚に持つ強さ、弱さの中から現れる強さ・・・。 そもそも「弱さ」とはなんなのか。書き手それぞれの視点から「弱さ」についてご論考いただきました。 自分や他者の弱さに優しく向き合い理解しようとすることが「生きづらさ」をなくしていくための第一歩かもしれません。
特集 建築家の終焉、あるいは負けて生き生きする生き方 隈 研吾 (建築家) 豊かな弱さのために 伊藤 亜紗 (東京科学大学未来社会創成研究院・リベラルアーツ研究教育院教授) 私は命のパンである 吉田 直哉 (大阪公立大学大学院准教授) 倒れたままで生きる 頭木 弘樹 (文学紹介者) 気持ちを向け合いたい 星野 概念 (精神科医 など) 弱さを生きる 石原 真衣 (北海道大学アイヌ・先住民研究センター准教授) 強いも弱いもなく、ただその人自身でいられる場所 梶谷 真司 (東京大学大学院総合文化研究科教授) ヴァージニア・ウルフの『灯台へ』を読む 小川 公代 (上智大学外国語学部英語学科教授)
連載 学究余話 よくわからないまま傍にいる 仁平 政人 (東北大学大学院文学研究科 准教授) 知の生まれる場所 人生を長くする方法 山崎 亮 (コミュニティデザイナー) 科学と生きる 未来の書物の形 全 卓樹(理論物理学者・随筆家) 書物とともに 回想のビブリオフィル コリン・フランクズ 髙宮 利行 (慶應義塾大学名誉教授)
書評 文芸季評 生殖器に宿る生殖本能が語る疎外の物語 ー朝井リョウ『生殖記』 渡辺 祐真 (文筆家・書評家) 文芸季評 日常の綻びを歓待する ―『ソフィアの災難』 水上 文 (文筆家 ・文芸批評家) 横談書評 『非暴力の力』 戸谷 洋志 (立命館大学大学院 先端総合学術研究科 准教授) これから読む本 『言論統制 増補版』 石原 聖 (丸善仙台アエル店 店長) 丸善出版刊行物書評 『ユダヤ文化事典』 沼野 充義 (東京大学 名誉教授) 丸善出版刊行物書評 天気野郎の世界 ー古川武彦『日本の気象観測と予測技術史』 小出 寛(気象大学 校長)