当社が学校法人C2C Global Education Japan(旧:学校法人山梨学院、2021年に法人名称変更)様から内装改修工事の依頼を受け、2019年と2020年に竣工した2つの事例をご紹介します。
※本文中は2020年当時のまま、学校法人山梨学院様としております。
①学校法人山梨学院 法人事務室改修工事
商業施設の空間デザインを提案する専門チームがプロジェクトに参加
学校法人山梨学院 38号館 2階 法人事務室改修工事は、学校法人山梨学院様から“働き方改革の一貫として組織の構造改革を進めていくとともに、働く空間についてもお役所的な執務空間ではなく、自由な働き方に合わせた自由な空間を”とリクエストがあり、具体的なイメージの一つとして“カフェで仕事をするようなイメージ”というご要望に対して提案させていただいたプロジェクトです。
従来であれば、主に大学をクライアントとするチームが担当する案件ですが、より自由で新しい提案を実現すべく、書店のほか飲食・サービス店舗などをクライアントに持ち、空間デザインを提案する専門チームが参加し、連携してプロジェクトを進めました。
働く空間を自由に、新しくすることで生まれてくるイノベーション
今までオフィスに入っていたのは、総務・経理といった定型的な業務を行う部署ですが、“これからは他の部署とも交流し、より創発的な仕事をしていくことを目指していきたい”との要望があり、昨今のスタートアップ企業に多いフリーアドレスを導入。個人、少人数、大人数と、人数や作業に合わせて作業環境の変化に対応できるよう工夫しました。
2019年2月に竣工。現在はさまざまな部署の方が新しくなったオフィスを利用するようになり、これまでにはなかった複数の部署が連携する新しいプロジェクトがいくつか生まれていると伺っており、空間デザインが業務改革の一助になった事例です。
②学校法人山梨学院 新9号館 ランゲージコモンズ 改修工事
留学生たちの学習をサポートし、異文化交流を活発にする空間デザイン
38号館 2階 法人事務室改修工事が竣工した際、学校法人山梨学院様から“大変イメージに近いものができあがった。今後も同じチームで、新しい施設づくりに取り組んでほしい”とお話をいただきました。そして依頼を受けたのが、学校法人山梨学院新9号館2階フロアの改修工事です。
“キャンパス内のとても良い立地にあるので、授業外の時間に学生が訪れて、様々なことを学べるような空間へと全面的に改修したい。大学に通うたくさんの留学生たちの学習をサポートし、日本人の学生たちとの異文化交流を活発する施設にできたら”と要望をいただきました。
ご提案したのは、英語で交流できる「イングリッシュカフェ」、日本語や日本文化を学ぶ「ジャパニーズカフェ」、この2つをつなぐカフェカウンターの3つで構成するというプランです。大切にしたのはコミュニケーション。外国から来た留学生のみなさんもリラックスして、様々なことが学べるカフェのような空間づくりを心がけました。
「日本と世界」という切り口でのデザイン化
「ジャパニーズカフェ」は日本文化を表現するために、入口には模造の竹を使った坪庭を配置。靴を脱いで過ごす小上がりのような空間です。対して「イングリッシュカフェ」は開放的な雰囲気の、ラウンジのようなスタイル。ブルーの大きな壁面には、有名な画家やデザイナーによるグラフィック作品のレプリカが数多く飾られています。「ラブ&ピース」など異なる3つテーマに沿ってセレクトしたもので、空間デザインの一要素としての役割に加え、学生が絵をきっかけに英語でコミュニケーションを図るといった学習ツールとしての狙いがあります。
また2つのカフェをつなぐカフェカウンターでは、コーヒーやお茶を提供。テイクアウトをしてカフェで楽しむということもできます。
学校法人山梨学院様からの“学校の教室という概念をなるべく壊す”という要望を踏まえて、「日本と世界」という切り口をデザイン化するのはなかなか難しいものでしたが、これまでにない新しい空間デザインを実現でき、2020年2月に竣工しました。
選書サービス「BooQ」による学校法人山梨学院様ならではの空間デザイン
本プロジェクトでは、当社の選書サービス「BooQ(ブック)」が活用されています。BooQとは、良質で知的な空間を作り出す、選書 × 空間デザイン × 企画運営支援 が三位一体となったワンストップサービスです。
「ジャパニーズカフェ」では、歌舞伎、武道、華道など日本伝統文化だけではなく、ポケモンやガンダムといったサブカルチャー的なものまで含めて書籍をセレクト、ディスプレイをしています。留学生のみなさんも手に取りやすい、興味を持ちやすい書籍を揃えているのが特徴です。
「イングリッシュカフェ」では、学部ごとに書籍を選んでいます。例えば、スポーツ科学部では、スポーツの写真集や選手名鑑といったものだけではなく、「ルールはどうしてできたのか」「筋肉の使い方や体の構造」など、ロジックが感じられるようなものを揃えて、そこから興味を深めてもらえるような入口としての選書を行いました。
学校法人山梨学院様の事例では2つの異なる空間それぞれをBooQによってコーディネートいたしました。
このように、BooQでは良質で知的な空間を作り出す、選書 × 空間デザイン × 企画運営支援が可能です。