丸善雄松堂

事例紹介

名城大学の厚生施設の立ち上げから運営までをトータルにプロデュースし、「学びのコミュニティ・プレイス」の創造に貢献

  • まなびの場の企画・運営
  • まなびの空間づくり
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愛知県名古屋市に学舎を構える名城大学は、学生数1万5000人を超える文理融合型の総合大学です。同大学では、来る2026年の開学100周年に向け、「生涯学び楽しむ(Enjoy Learning for Life)」をコンセプトに、さまざまな取り組みを進めています。この将来ビジョンを踏まえた改革の一環で厚生施設の拡充を検討しており、2017年にコンペティションを実施。かねて名城大学と取引のあった当社も全社を挙げてコンペに参加した結果、厚生施設のプロデュースと運営業務を受託するに至りました。2018年4月1日に、天白キャンパス内に「そらいろラウンジ」と「Green Bakery BOOK CAFE」がオープンして以来、順調な運営を続けています。

名城大学から提示された要望とオープンに向けての取り組み

レストランとブックカフェを新設するにあたって名城大学から期待されたのは、既存の学生食堂やショップとは異なるハードとサービスであることです。天白キャンパス内には、「名城食堂」をはじめ複数の学食が既に存在するため、利用者の満足度を高めるにはほかの施設との差別化を図る必要がありました。
この課題を解決するため、2017年11月の立ち上げから翌年4月のオープンを迎えるまで、名城大学の代表者と当社の各事業部のメンバーが集い、毎週1回の定例ミーティングを開催。店舗の内装からメニューの内容、価格帯に至るまで、多岐にわたる協議・検討事項を議題に掲げ、話し合いと調整を重ねて一つひとつ決定していきました。

当社にとって飲食店のプロデュースは初めてのことでしたが、「ALL MARUZEN-YUSHODO」の総合力で取り組んだ結果、大学に「知と学びのコミュニティ」が生まれる新たな場所を誕生させることに成功しました。

丸善雄松堂が手がけるレストランとブックカフェの特徴

教職員と学生専用レストラン「そらいろラウンジ」、学外の人でも利用できるブックカフェ「Green Bakery BOOK CAFE」は、以下のような特徴を持つ店舗です。それぞれに役割を持って、居心地の良い空間とサービスを提供しています。

レストラン「そらいろラウンジ」

席数74席の「そらいろラウンジ」は、天白キャンパスのなかでも小高い丘の上に建つビルの15階に位置する、眺望の良さが魅力のレストランです。教職員をメインターゲットにしているため価格設定はやや高めですが、食材からメニューの種類、お盆、器、箸などの什器、スタッフによる接客に至るまで、学内の他店舗よりワンランク上のサービスを提供し、利用者がゆったり過ごせる空間を演出しています。

ランチ営業の後には、コーヒーやスイーツを楽しめるカフェ営業を行っているほか、ディナータイムには予約制で学会の会合やゼミの打ち上げといった貸し切りパーティーにも対応。一般のレストランのように、さまざまなシーンで利用してもらえるような店舗づくりを進めています。また、ヘルシーな料理を並べると同時にボリュームのある料理も用意してメリハリをつけたり、旬の食材を使って季節に合わせたメニューを開発したりと、料理のバリエーションに膨らみをもたせることで利用者への付加価値を高めています。

当初は、「そらいろラウンジ」の利用者として教職員を想定していましたが、蓋を開けてみると女子学生の利用が多いのは特筆すべき点です。レストランはキャンパス内でも離れた場所にあり、利用するにはわざわざ足を運ぶ必要がありますが、学生にはほかの学食と使い分けて楽しんでいる傾向が見られます。

ブックカフェ「Green Bakery BOOK CAFE」

席数120席のキャパシティを誇る「Green Bakery BOOK CAFE」は、焼き立てのパンやコーヒーと共に、本や、電子書籍を楽しめるブックカフェです。店内は、当社の「BooQ」というサービスによって「ライフスタイル」「クリエイティブ」「コミュニケーション」の3つのゾーンに区分けされており、それぞれのコンセプトに合った本が選定されています。ライフスタイルゾーンには、おもに女子学生をターゲットとした食や健康に関する本を、クリエイティブゾーンには将来の仕事にかかわるような本を配置。またコミュニケーションゾーンには、地元の特産品や美味しい飲食店が特集された情報誌など、好奇心をくすぐり、会話が弾むような本を並べています。

電子書籍は、当社の『Maruzen eBook Library』という学術情報に特化したプラットフォームを通じて提供。レポートの調べものなどにも利用できるような、学生にとって有用な情報を配信しています。フリーWi-Fiを設置しているため、学生はスマートフォンなど自身の端末にダウンロードして自由に持ち運ぶことができるほか、店内専用の9台のiPadで閲覧することも可能です。

ブックカフェで販売しているパンは、クロワッサンやカレーパン、フルーツサンドイッチなど、学生が好むものを中心にラインナップ。店舗に併設された厨房で生地からこねて焼き上げているうえ、路面店で入りやすいことから、地元の主婦層や高齢者などの利用者も増えています。

多彩なイベント企画を展開し、コミュニティの中心として賑わいを見せるレストラン&ブックカフェ

レストラン、およびブックカフェのオープン後は、学生やそこに集う人々の創発・交流の場としての役割を果たし、店舗を拠点とした魅力あるコミュティが形成されることを目指して業務に励んでいます。

とくにブックカフェでは、学内にとどまらず地域住民や企業、自治体などとも連携したイベントを積極的に企画・推進。名城大学の「まなび」と丸善雄松堂の「知」の共創によるブランド・プレゼンスの向上に努めています。

ブックカフェ内の森をイメージしたグリーンゾーンでは、これまでさまざまなイベントを開催してきました。たとえば、建築学科のゼミとテントを扱う地元企業による研究発表会、金太郎飴の専門店経営者(名城大学OB)との座談会、ものづくりの楽しさに出会う機会となるようYahoo! JAPANと名城大学が共同開催している「Hack U」の相談会などが開催されました。このほか、壁面の本棚を写真部の作品展に開放するなど、学生の活動の発表の場としても利用いただいています。

社会連携の拠点として、知とまなびのコミュニティを育む空間づくりを徹底

「そらいろラウンジ」と「Green Bakery BOOK CAFE」は、オープンから約2年が経ち、“これまでにはない新しいコンセプトのお店”として学内外に広く浸透してきています。両店舗ともにリピーターが多く、「いつまでも続けてほしい」などと、嬉しい言葉をいただく機会も増えました。とくにブックカフェで行われる催事は参加者にも好評で、回を重ねるごとに社会連携の拠点としての価値が高まっています。今後も、当社が運営する意義を十分に理解して、「知とまなびのコミュニティ」が育つ場所を提供するために、創意工夫を続けていきます。

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